復活するガラケー あえて選んでいる人は3種類に分けられる

フィーチャーフォン、いわゆるガラケーが復活している。2014年のスマートフォン出荷台数が2770万台で前年比5.3%減となり2年連続で減少したのに対し、ガラケーは1058万台で5.7%増と6年ぶりに前年を上回ったからだ(MM総研調べ)。いま、あえてガラケーを選択する人たちには、大きく3つのタイプがみられる。 ●育み型  これまでガラケーユーザーはスマホに乗り換えるのが当然と考えられていた。しかし実際には、ガラケーを大切に使い続けている人が少なくない。2008年から同じガラケーを使い続けてきた40代の団体職員女性は、次の機種変更もやはりガラケーと決心がついた。 「6年前にEXLIMケータイのカメラに誘われて買ったのですが、結局、電話とメールしか使ってない。SNSは自宅のパソコンでしかやらないし、外出時にまでやろうとは思わない。  今のガラケーで不満はないけれど、さすがに5年以上使っていると電池ももたないし替え時かな。使っているのと同じメーカーで新しいガラケーが出て欲しいけど、見込みがないから思い切ってスマホにしようか悩みました。でも、メールを打つとき、物理的にキーがあるガラケーの方が使いやすいから、メーカーが違ってもまたガラケーにします」  スマホユーザーは2年経つと機種変更するケースが多いが、ガラケーでは同じ機種を5年以上使うことが珍しくない。「消費動向調査」(内閣府)によれば、携帯電話の買い替えは平均3.5年で行なわれる。だが、これはあくまで平均であって、どのくらいの頻度がもっとも多いかわかる「世界モバイル利用動向調査2014」(デロイト トーマツ)によれば、日本人の過去5年間における携帯電話の買い換え頻度は、1回以下が71%にものぼっている。  この買い替え頻度の少なさは、ガラケーユーザーが存在感を示しているからだ。次々と新しい機種に切り替えるのではなく、同じものとの関係をじっくりとはぐくむ使い方を好む人はガラケーを選んでいるといえるだろう。 ●使い分け型  外出先でも簡単に調べものができ、書類作成も可能だとスマホを導入した。ところがスマホでは使い勝手が悪く、その機能を補うタブレットが急速に普及率を上げている。タブレット使用者は端末によって機能を明確に使い分けるので、ガラケーと2台のモバイルを併用する。使い分けする人へ向けて、SIMフリーブランドfreetelから本体5980円(店頭想定価格)のガラケー『Simple』が2月中旬以降に発売される。 「freetelのユーザーには20~30代の男性が多く、必要最低限のものをリーズナブルに提供する弊社の理念に共感してくださっているようです。当初の発表よりも発売が遅れていている『Simple』ですが、毎日お客様から問い合わせがあります。お話ししていると、通話できればネット機能はいりません、とおっしゃるお客様が一定数いらっしゃることがわかります」(プラスワン・マーケテイング株式会社freetelカスタマーサポート担当者) 『Simple』は通話とショートメッセージ機能に特化したSIMフリーガラケーだ。Bluetooth接続対応なので、ハンズフリー通話も可能。freetelブランドのSIMカードだけでなく、NTTドコモやソフトバンクのSIMカードも使用できる。ガラケーと組み合わせる使い分け型の人たちにとって、選択肢が増えるのは朗報だ。 ●出戻り型  2008年にiPhoneが日本で発売されたことでガラケーからスマホへ乗り換える人が急増し、2010年に初代Xperiaが登場して加速、一昨年暮れから各種調査で発表されるスマホ普及率が次々と5割を超えた。その流れにのって、とりあえずスマホへ機種変更した人たちからガラケーへ出戻る人が出始めている。 「結局、スマホとして使わないんですよ。操作が複雑でメールも使いづらい。LINEを使いたいから次もスマホと言っている友だちもいるけれど、私の場合は家族がLINEを使わないんですよね。だったら、維持費も安いガラケーでいいかなと思って、機種変更から2年を待って、スマホからガラケーへ戻りました」(50代主婦)  スマホといえば、アプリをダウンロードして好みの機能をカスタマイズしてゆくのが醍醐味だ。ところが、日本ではアプリ・コンテンツへの積極性が低く、まったくダウンロードしない人が20%にも及ぶ(前出「世界モバイル利用動向調査2014」調べ)。一方でシンガポールや韓国のようにスマホ普及率9割超の国ではアプリを追加しない人は各々2%、4%しかおらず積極的だ。アプリを使わないなら、ガラケーに出戻るのは当然だろう。  タイプは異なるが一定数のユーザーが存在するガラケー。彼らに応えるかのように、各携帯キャリアも一年に一度はガラケーの新機種を発売するサイクルをつくりつつある。これからのガラケーは、1990年代に見られた高機能化とは異なる、使いやすさを中心とした進化を続けそうだ。 the north face グローバーオール モンクレー patagonia asics オニツカタイガー フィデリティ ショット オールデン porter