京セラが「タフネス」スマホを米に続きヨーロッパでも販売へ!なぜ日本メーカーでも京セラが成功したのか

京セラは日本でも販売中の高耐久性に優れたスマホ『TORQUE』をヨーロッパでも販売すると発表した。日本メーカーのスマホは今や海外で見かけられるのはソニーくらい。しかし最近では、そのソニーもぱっとした話題を聞かなくなっている。そんな中、今からヨーロッパへ進出するという京セラのニュースは明るい話題だろう。 日本メーカースマホの海外進出は失敗が相次いでいる。そんな中、京セラはなぜ今になってヨーロッパでの製品展開を行うのだろうか? それは「高耐久性」という特徴を絞った製品展開がアメリカでヒットし、アップルやサムスン電子などの大手メーカースマホとの差別化に成功したからである。 ヨーロッパでの発売が決まったTORQUE。高耐久性に優れている 京セラは日本国内で「DIGNO」ブランドでスマホを展開するほか、auの「URBANO」なども手掛けている。だがそれらの製品は日本国内専用モデルで、海外では販売されていない。 アジアではかなり昔に京セラブランドのケータイが販売されていたこともあるが、今では同社がスマホを手掛けていることを知っている人はほとんどいない。 ところが同じ海外でもアメリカに行くと、キャリアの店や家電量販店では、京セラのスマホをよく目にする。 実は、京セラはアメリカ市場において一定のスマホシェアを誇っているのだ。 と言っても販売されているのは日本で見かけるカラフルな製品ではない。黒いボディーで見るからに質実剛健なタフネス仕様のスマホなのだ。 元々CDMA方式のケータイに強かった京セラは、早い時期からアメリカ市場に参入していた。ところがiPhone登場後のスマホブームに乗り遅れ、同社がスマホを投入するころにはiPhoneやGALAXY、そしてMotorolaスマホなどが大きなシェアを占めており、後から参入する余地は残されていなかった。 京セラのアメリカの防水スマホHydroシリーズ。これだけ多数のラインナップがある だが、京セラは日本で培った防水技術に注目することで転機を掴む。 外見も強固に見える頑強さをアピールしたスマホ『Hydro』シリーズを投入。性能はミドルレンジながらプリペイドで100ドル前後となる低価格品をあえて投入したのだ。アメリカでもスマホはキャリアの2年契約で格安で高級でき、iPhoneも無料で買えるケースもあった。 しかし所得の低い層にとって毎月の高い基本料金を2年間払い続けるのは難しかった。HYDRAは100ドルで買い切り、あとは毎月プリペイドで安い通信料金で利用が可能という差別化を武器にする。 しかもこのクラスの製品を買う層はスマホを多少乱雑に扱うことも多い。 防水かつ頑丈に見えるHYDRAは、実用性の高いスマホとして低所得者層の人気を着々と集めていった。そして気が付けばアメリカでの京セラのイメージは「タフネススマホ専業メーカー」となり、京セラだけにしかできない差別化された製品メーカーとして市場での地位を確固たるものにしたのだ。 そしてHydraシリーズの人気に大手キャリアも興味を示し、スプリントにはTORQUE、ベライゾンには『Brigadier』と立て続けに高耐久性スマホを投入した。 その高い評判からTORQUEは、逆輸入で日本販売されたほどだ。そして今ではauから日本向けモデルも発売となっている。 アメリカではスマホだけではなくケータイもタフボディーな製品に絞っている 日本メーカーのスマホはソニーを筆頭に、ほぼすべての製品が防水防塵性を備えている。 ところが海外ではその性能に興味を示す消費者はほとんどいない。 世界中で売れているiPhoneが防水非対応なことからわかるように、防水機能は日本以外の国ではほとんど求められていないのが実情だ。ということは「防水」を特徴としたスマホを海外で売り出したとしても、それはアピールポイントにはならないのだ。 では京セラのTORQUEはどうだろうか? もちろんTORQUEは防水防塵・耐久性を備えた製品だが、ただの防水防塵・耐久性ではない。 MIL-STD-810G規格に対応する本格的なタフネス仕上げだ。 さらに、このTORQUEをビジネスパーソンがスーツのポケットから取り出しても違和感は無い。ミリタリー製品の一部にも見られるような機能性を追求がした美しいデザインを生み出したスマホなのだ。 またヨーロッパはキャリアがSIMロックスマホを販売する以外に、メーカーがSIMフリースマホを自由に販売している。 すなわち京セラもTORQUEを販売しやすい市場となっているのだ。TORQUEの単独販売が好調になれば、ヨーロッパ各国のキャリアも自社での取り扱いを京セラに要望してくるだろう。 これまで日本メーカーのスマホの海外戦略が失敗続きだったのは、機能も見た目も特徴の無い製品が多かったからだろう。 京セラのTORUQUEは、一見しただけでどんな製品かわかるルックスだ。しかも実際にちょっとやそっと落としたくらいでは壊れないというタフな仕様は海外の消費者にも簡単に伝わる。 メリットがわかりやすいTORUQUEはヨーロッパでもヒット商品になるに違いない。 patagonia アーメン ジョンブル 革靴 ブランド ノースフェイス the north face カンペール duvetica ショット